遺産相続で借金も相続？

遺産相続で資産だけでなく負債も相続しなければならないのか？遺産を調べるのに時間が掛かる場合は？マイナス分が多い遺産相続を破棄するためには、どのような手続きが必要なのか？また注意点は？

Q 資産だけ相続して、借金の相続はしたくない

土地やマンションなどの資産の相続を希望しています。しかしその他、借金などの負債は相続したくはありません。借金の額が膨大であるかどうかは分かりませんが、負債があることは、おおよそ察しがつきます。

また資産は分かっていても負債がどの程度のものか現在では判別できません。借金などの負債だけを除いて、プラスの資産だけを遺産相続する方法はないのでしょうか？

A 遺産相続する資産には負債も含まれる

遺産相続で借金に負われる

遺産相続で財産だけ手に入ると勘違いし（プラスマイナスするとマイナスの方が大きいのに、プラスの資産しか考慮せずに）、大きな借金を抱えてしまったケースがあります。こんなことにならないように遺産相続の基礎知識は知っておきましょう。

遺産相続は資産と負債の両方

遺産相続は資産だけでなく負債（借金）も相続する形になります。もちろん相続するには相続税も掛かります。一般的には資産に対する相続税を割り出し、相続税分を差し引いた上で負債などの借金分を差し引いて相続するか否かを判断する形になりますが、税率や控除額など法改正が実施されていることがありますので、その都度、税務の最新情報で計算することが必要です。

もちろん、遺言状の有無なども影響します。また生前贈与を受けていた場合、税の部分はクリアされていても、相続分割の対象になるか否かの判断もあります。以下、その他の注意点としてありがちなことを書いておきます。

• 自宅が資産の場合
  自宅そのものが資産になっていたりすると持ち家を無くしてしまう可能性もありますし、持ち家を無くさないまでも相続人が複数人の場合、遺産の分割時にもめる可能性もありますので、慎重にことを進めることが重要です。
• 相続を放棄する場合は？
  相続人が３ヶ月以内に家庭裁判所で手続きします。相続財産を処分したり流用したりすると、相続破棄ができなくなります。
• 遺産の調査に時間を要する場合
  財産（資産も負債も含めて）の調査に時間が掛かる場合は家庭裁判所で期間を延長してもらうことが可能です。
• 相続人が未成年の場合
  相続人が未成年の場合は親族が法定代理人となります。

このように法的な範囲もありますし、本来必要ないものまで資産に合算してしまう可能性も否定できません。もし税の知識が無い場合は、税理士、その他法的な問題がある場合は弁護士へ相談された方が宜しいかと思います。

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